[それがわたしの成すべきことなのだから――。ディーターから貰った、ナイフ。このナイフでわたしは貴方を殺すわ。クララは胸元にナイフをぎゅっと抱える。何か質問があるか?と聞かれれば、]何故、わたしにナイフの使い方を教えてくれるの?[嵐が来る前までのディーターのそっけない態度を思い出す。今まで男が此処まで親切にしてくれた事はなかったと思う。「何故」という純粋な疑問だった。**]