― 風龍峡入り口 ―[深く息を吐く。 距離を放すことには成功したものの、次の一撃を捌けなければそれなりの打撃を受けるだろう、と予見して。 痺れる右手よりまだ動く左手に武器を握ったところで、駆け寄る影に気付いた>>104] だ、……大丈夫。[言い終えるより乱入の方が早いかもしれないが、ともかく意志は挫けていないという風に狼と対峙して]