─ プラメージ王国野営地 ─
[忙しいのはお互いに、のはずなのだが。
王弟たる友は我関せずとばかりのんびりと、海辺の風に身を任せこちらの奏でる音に耳を傾けている。
>>84平時の際と変わらぬ言を並べるギィに、草から唇を離し]
そうだな。
お前の世話を焼くのに手一杯で、後継まで手が回っていない。
[そんな軽口を叩くのもいつもの事で。
それがギィの耳に届いたかどうか確認が取れぬのもいつも通り。
程無く耳に届く寝息に、一つ息を吐き出してからギィの腕を取り。
背に抱えて天幕内、既に支度されていた寝台へと王弟を運び込んだ後、自身のやるべきことへと向き直った]