ねーキアラ、あっちいこー?
[無邪気にキアラの手を引いて向かった先にあったのは小さな泉。
二人は目をきらきらと輝かせて泉に飛び込んだ。]
つめたーい!
[笑いながら水飛沫をあげて騒ぐ、楽しい気持ちが胸を満たしていく。
しかし幼い子供の体力は少なくて。
そろそろ水から上がろうとして、水底に煌く何かを見つけた。
あれが欲しい、きっと凄く綺麗だから。
必死に手を伸ばしても届かない。
潜りたくても上手く潜れない。
もどかしくてじわりと涙が滲んでも、キアラの前では絶対に泣かない。
だって自分は”おにいちゃん”だから。]