― 宴の前 ―[騎士が腕の中に守るのは、主君の血筋だろうか。その正体に興味は無いけれど、真摯なさまには惹かれる。名乗り返されたその称号は、栄冠の響きを帯びる。>>91彼の金の髪に、緑の冠はよく映えるだろう。] 気に入った。 おまえを私のものにしよう。 降りてこちらに来なさい。[さらりと礼節やら手順やらを投げ捨てて言う。相手の言葉は全く聞いていない顔で、当然のように命じた。*]