[(>>55)シメオンの後へついて特別閲覧室へと向かう途中、大図書館の制御装置が埋め込まれたペンダントを置いていこうか迷った。
装置自体はもう必要ないし、名と花紋を削られてしまったそれは己の罪の証のように感じられて。
けれど、シャツの上から何度も握りしめては逡巡するうちに、シメオンの手によってあっさりと帰路が開けてしまう。(>>56)]
─────!!
[その向こうにあるのは、紛うことなき故郷の景色だった。
思わず背後を振り返ってみても、そこはまだ無数の本が居並ぶ大図書館なのに。
おまけにシメオンの隣には、"廃棄"されたはずのリュカが当然のようにのほほんと笑って立っている。
あっけにとられていれば、早く行かないと、と促され。]