人狼物語−薔薇の下国

168 グラムワーグ・サーガ


騎士 ヤコブ

[浴びせられたのは炎ではなく、言葉だった。
割れがねのような声が空気を揺らし、飛竜の飛行を乱す。
ヤコブは、風の音に負けぬよう声を張り上げた。]

 こいつが俺を選んだか、って意味なら、そうだ!

『 "鍵"に選ばれた、か。
  "鍵"の力があれば、我を討てると驕ったか? 』

[轟々と、遠雷に似た音が響く。
火竜が嗤ったのだと気づいたのは、少しあとだ。]

 驕ってなんざいねーよ!
 けど、俺はどうあってもあんたを止めなきゃなんねえ。
 だから他に手がないってんなら、あんたを討つ!

[宣言とともに"鍵"を構えなおす。
淡く輝く刀身を、火竜の大きな目が見つめた。]

(105) 2014/04/06(Sun) 23:11:39

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