― 学校跡・教室 ―
[臨時の司令執務室となっている教室のドアの前で、取り替えてきた上着を軽く整える。
こんな時でも身なりを気にしなければいけないような習慣が一部に根強くあるのが帝国。良くも悪くも、古い国。
足は手当てを受け直すより報告を先としたので見目悪かったが、そこは自分でも目を瞑る。中にいるのが気にするような人でないので、簡単に諦めることが出来た]
カディーネ中尉。
……結局運ばせてしまったようで、申し訳なかった。
休ませてもらったから大丈夫だ。
[入室の許可を求めている間に、ダーフィトもやってきた。>>25
少し視線が泳ぐのは、担がれたのだろうなと思うからか、意地を張り通せなかったからか。
肯定と感謝を合わせて頭を軽く下げた顔は、やはり良いとは言えないものだった]