― 3階廊下・明朝 ―
カタリナさん?!どうかしましたか?
[カタリナの悲鳴を聞きつけて、階段を駆け上がる。
既に慣れてしまった鉄錆の臭いに顔をしかめて走ると、まず目に飛び込んできたのはカタリナとオットーの姿。
カタリナが他の人に知らせる様子だったからその場で別れて、オットーの背後からクララの部屋を覗き込む。]
…。
[遂に見つかってしまった、己の罪の証を見て。思わずその場にへたり込んだ。
”クララさん。”
自分の絵をほめて優しくしてくれた女性の名を唇が紡いだが、声にはならない。演技ではなく、本気でショックを受けていた。]