―― 回想:コインを拾った日 ――
[小さな泉でコインを拾った日の事だ。]
ねーとうさーん!! 見て見て、これ!!
[無邪気な笑顔で見せたのはこの一帯では流通していない二枚のコイン。
見せられた養い親である猟師はそれを指で挟み、太陽に翳すように眺め。]
『こりゃ珍しいもん拾ったな、で、これをどこで拾った?』
へへ、珍しいだろー!森の泉の中だよ。
『……この馬鹿!!子供だけで行ったらダメだって何度言えば分かる!!』
[怒鳴られながらも拾えた嬉しさに笑みは隠しきれず。
首を竦めながらもくすくすと笑っていれば、養い親は呆れたように溜息をついて苦笑いを浮かべた。]