図星を刺されるとそんな顔もするんだな。
[彼の言の葉は肯定と捉え、煽る語が跳ねた。>>99
古き血を持つ一族の話は聞いたことがあった。
召集せよと綴られた羊皮紙に滲んだインクで書かれた琥珀を意味する名。
教会は血に一等の拘りを持つ。
聖なる血にも、呪われし血にも。]
君の美学はご尤もだ。
だがな、“俺は”何もかも救える救世主ではないのだよ。
[彼の立腹が理想であると理解する身が、冷徹な言葉を操る。
清廉潔白を気取るのは己の肩書きだけだ。
何を切り分け、何を斬り捨て、何を選ぶか。
ああ、彼もまた。と、男は目を細めた。]