[約束の痕を隠していた銀の指輪が、煤の色に変わっている。度重なる邪淫の穢れか、堕天使を求め同胞を見殺しにしたからか。或いは、指輪を作ったものに、何かしらの変化があったか。かつてはとても強い加護の力を感じたものだが、今はそれも無い。微かな想いの名残は感じたが、障害ではなかった。] 砕けろ。[力を向ければ、指輪は塵となって散った。同時に思いも散ったか、或いは誰かの元へ帰っていったか。もはや興味もない。]