─ 吟遊詩人と別れて街中 ─
[ 幾分か吟遊詩人と話をしたあとで。
先に街へ返した2人の傭兵と合流すべく
こちらも教会から街中へ降りてゆく
いろいろと知りたいことはあった。
真実を追い求めようにも知らなさすぎた
王の死因、文書の出処
文書の真偽ももちろん、そうだが
それは、調査を任せるべきだ
それよりも。
気になるのは街に流れる噂の出処。
そうだ、軍部に居る人間でさえ
王が暗殺だという情報は降りてきていないのに
その真贋すらわからない。
どこからその情報は出回っているのだろう。
出回るとすれば、
ただの出任せを流している人間がいるか、
それとももっと王に近しい ──
「宮廷の人間に心を許さないことだ」
その言葉がいまになって、
ひゅうと心に黒い影を落とす
仲間の傭兵と合流するまでに、
誰かに会うことはできたのかしら。 *]