「いえ、それが、今日、この陣営に現れたという話なんです。それも昼間から」
.........敵襲なら、何故伝令が来なかった?
[ 眉を顰め、一瞬唇を噛んでから問い返したのは、それが「動く死体」であったろうという予測の元の言葉。アンデッドが現れたなら、当然それを告げる伝令が在る筈だった ]
「...アンデッドには見えなかったそうです。目の前で消えてしまったという者も、生前同様に会話したという者もいて...どうも幻覚や魔法のまやかしとも思えない感じなんです。そもそも敵襲なら被害が一つもないのがおかしすぎます」
だからと言って...昼間から歩く幽霊なぞ...あるわけが...
[ 馬鹿げている、と、理性は言い、何かがおかしい、と、男の直感は告げる ]