― 霧の沼地 ―……え?[ふと、何か聞こえたような気がして、一つ瞬く]……ひと……?[微かに聞こえたそれは、覚えのない人の声。>>104知らぬ、という事象は、今は何よりも恐れるもの……ではあるが]……います、けれ、ど。[そういえば、こんな白い場所にいる誰かを誰かが捜していた。一瞬紛れ込む、直近の記憶。けれど、立ち上がって声の主を探しに行ける程の余裕はなく。途切れるような呟きひとつ、落とすにとどまった。*]