―1度目の雪崩の後―
[雪崩を告げる、緑の帽子を被った人物がこちらに近づいてくるのが見えた>>98。
どうやらリーザと面識があるらしく]
……あれ、お前
[いや、リーザだけではない。
自分もこの男を知っている。
たしかいつだかの遠征の時、どこだかの町で飲み交わした事がある。
寒いときは寒い所へ、暑いときは暑い所へ、という風変わりな旅人だったから、おぼろげながらも覚えている]
ああ、やっぱりニコラスか。
俺だよ、シモンだ。何年か前に、南の方の町で飲んだ兵士だよ。
[ニコラスは覚えていただろうか。
彼がリーザと目線を合わせて優しく語りかける様子に、リーザも落ち着いて来たか。
しかし再び、轟音が村を襲う*]