[差し出された指輪を改めて眺める。モチーフの花を模した繊細な造りは、可愛らしく品もあり、彼女にとてもよく似合うと思った]……うん。[そのような感想は口には出さず、了解したとばかりに頷いて見せる。はにかむ彼女を見つめる顔に浮かべた彼にしては珍しい微笑が、答えの代わり。出された左手をそっとすくい、その薬指に指輪をはめる。まるで誂えたかのように、彼女の細い指の上、咲いた花は柔らかく輝く]よく似合ってる。[ぽつりと告げて、もう一度小さく微笑んだ]