― 宝珠顕現前/湖畔 ―[一層凛とした声>>83には、ゆるりと二人の身の回りを巡ってから吹き抜ける、柔らかな風で応えた。 敬語の類は上手に扱えぬし、きっとそれで了の意は伝わると思ったから。けれど更に思いついたことを足すには足りなくて、結局また言葉を紡いで] うん、でも今はごめんなさい。 あなたたちが去る時には必ず。 これに呼びかけて貰えれば、向かうから。[時至るが近いことを知らせる風を感じていたゆえ、今は謝罪して。懐から取り出した薄紅色の梅一輪を、風に乗せ送ったのだった*]