[霧の中より現れ出でたのは、茫漠たる霧の塊めいた騎士。それは、灰色の騎士と呼ばれ、魔王の七騎士とも呼ばれる不死なる僕。首のない影の馬に乗り、すっぽりと頭を覆うフードの中には赤い光と虚無のみを湛えた姿は死霊とも見えたが、正確には死したるものでもない。それらは、魔界の霧が瘴気に触れて形を得たもの。魔王の力注がれて死の刃を得たもの。ただの人間には触れることさえ敵わないが、それらの剣は容易く命を狩る。] 殲滅しろ。[主君の命に従い、死の騎士が七つ、崖の上で死を振りまき始めた。]*