その……肩代わりした人たちはどうなるの?
「――安心しろよ。多少不幸な目にあうかもしれんが死にはしないさ。
奪うのは少しだけだからな。そうほんの少し、だ」
[その言葉にちょっと安心する。妹一人救うために大多数を死に追いやるなんてなったら覚悟の要求量が違いすぎる。
もし、そうなるのだったら私は妹の為に犠牲を強要できるだろうか、と。
ただ、アミィの言う少しと私の思う少しにかけ離れた差がある事に気付くことはまだまだ先の話。
そして]
「ただ、この恩恵は人の身で持つには大きすぎてね。契約時に代償としてお前の寿命の半分を貰う。
とは言え、妹を救える手段が手に入るんだ。安い代償だろう?どうだ」
……この仮契約時に必要って事だよね。
[寿命半分。人生設計の大半を投げ捨てるような代償。1度受ければ幸せな老後生活など夢のまた夢だろう。
だが、妹がいなくなった事で、消えてしまった昔の情景や今の灰色の生活を考えれば、そんな寿命いくらでもくれてやろうという気分になった。]