[身体を前方に折り曲げ、左手を地面へと突き出すように伸ばす。
右手からは剣が零れ落ち、カランという音と共に地面へと落ちた。
両膝も落ち、左手を地面につけたものの、先の傷の痛みに耐え切れず身体が左へと傾ぎ、地面へと倒れ込んだ]
〜〜〜〜〜ッ、
[しばらくは動けずに痛みに耐える。
一騎打ちを取り巻く兵の外から、仲間達が自分の名を呼ぶ声が聞こえた。
声に叱咤されるように、意識はまだ落とさずに身体をどうにか仰向けにする]
、 こうさん だ
[掠れた声ではあったが、カナンには届いたことだろう。
負けを認める言葉を紡ぎ、指笛を作ると、三度、長く尾を引く音を奏でる。
撤退の合図だ*]