[ その日から、何の気まぐれか、男は、仕舞っていた石笛を、少しずつ独学で試し吹きするようになった。それしかはっきりと覚えていなかったが故に、練習したのは戦神に捧げる歌の一節。男は歌ったことがなかったが、その歌詞は、こう始まっている。 ]『 名も無き戦士の魂よ 誰知らず戦いの野に 倒れようとも その高潔を神は知る...*』