[ それでもお姉さんの素敵な包み込むような微笑みに励まされながら、エルフは一生懸命稽古に励んだのでした。昔やっていただけあって、しばらくすれば勘を取り戻したことでしょう。
小一時間も経てば、的の真ん中にも矢を当てられるようになりました。その度に『ゴマダレ〜♪』と似たようなファンファーレが鳴り響いたとかなんとか]
我が師よ。礼を言うぞ……ズラ。
魔王は滅び、人間が化物共に屈せぬ時代がやってきたズラ。なれば、我が学ぶべきは化物を倒す魔術ではなく、日々の糧を得て慎ましく生きてゆく弓術であろう……ズラよ。
……師の教えを、我が胸に刻まん……ズラ!
[やがて修練を終えれば、エルフはお姉さんに弓を返して恭しくお辞儀をしたのでした。お昼もうとっくに過ぎて、夕方に差し掛かろうという時刻だったかもしれません。]