[ "間違いなく人狼の仕業だ"はっきりと確信を持った声でシモンが告げた。その宣言に血の気が引き、顔から笑みが消えた。そんな、まさか、と頭の中で否定する。だって、そんな筈はない。反射的に口を手で塞ぎ、吐息を呑んだ。それでも抑え切れなかった、指の間から漏れてくるくぐもった声。]赤い聲を聴いて、いない――。[フリーデルの絶叫で…の呟きは掻き消される。果たして…の声を聴いた者は誰か居ただろうか。]