― 天の階の下る刻 ―
[黙示天使は配下の者らと共に、箱舟上空の天にあった。
大天使は翼の威容を見せることなく、静かに地に降り立った>>95。
真なる奇跡の降りる厳かなる場を、徒に騒がせることは本意ではない。
故に地上への警戒は怠らぬままなれど、人目引く眩き光の中に身を置いていた]
嗚呼、ついに訪れたのか、この時が。
[光の中心に、聖職者然として佇む我が主上と、跪き対峙する救世主が見て取れた。
導き手は歓びと共に、大天使へと手を伸べる]
…………。
[邂逅に挟むべき言葉は見付からず、黙示天使は視線を地から、地平を望む方向へ向ける。
この場を邪魔立てする無粋なる者があらば、見逃さぬよう*]