― 回想・対峙の後 ―[それは、剣の光が少しずつ目覚め始めた頃。黒の魔獣と相対し。ほんの僅かな慢心が呼びこんだ隙、それを突いた一閃がは鮮やかな朱を散らして]ちっ……。まだ、だ……![辛うじて急所は外れていたが、流れる血が手を滑らせる。立っているのも精いっぱい、という状況で、けれど、後ろに下がる事は選べなかった。理由は単純な──それこそ、男の意地とかそう言ったものだったから]