―???―[ゆらゆらと、身体が揺れていた。不思議な感覚。たゆたう意識が、水底から昇る泡のように、ぽこりと、顔を出す。――やさしいやさしい声が、『メル』を呼んでいた。瞼が震え、唇から寝ぼけたように声がもれる]――ん、……。[腕がゆるゆると持ち上がり、彼の背を掻くように、きゅうっとまわされる。揺り起こす彼の肩口に頬を擦り付けながら、未だ、ぼんやりと意識をさまよわせていた]…、……ふぃ、…?