― 最前線 ―[ 男の率いる騎兵と軽歩兵から成る一隊は、只管に前進を敢行していた。陣容は騎兵300を配し、中衛に軽歩兵300、最後尾に騎兵100という配置だ。指揮官たる男自身は戦車《チャリオット》で、後尾の騎兵の右翼につき、指揮を取りながら、同乗している槍持ちの少年兵に、全軍の動きを監視報告させ、さらにそれに従った指示を旗と鏡でクレメンスまで伝達させることで、戦線を王国の陣まで押し上げようと図る。 ]前の騎兵、縦陣とって右翼寄りに走れ、軽歩、少し下がれ。後衛はそのまま。[ やがて前方より、押し出してくる王国軍の威容が迫る。>>100 ]盾兵に正面から当たる愚は犯すな。アレは後方の重装歩兵に任せればいい。敵騎兵を確実に潰す。[ そう指示を出す頃には、王国軍からも動きがあったろうか。* ]