人狼物語−薔薇の下国

469 グラムワーグ・サーガ3 〜反撃の嚆矢〜


魔王 カナン


 やはり、あれを使うか。


[手を伸ばし、中空から転移させて取り出したのは笏だった。
装飾の少ないそれは、この世界のものではない黒い鉱石を削り出して作られた、腕ほどの長さのもの。
笏の先端には七つの宝玉が嵌められている。それらひとつひとつの表面は灰色に鈍く輝き、じっと見つめれば内部が不規則に蠢くようにも見えただろう。]


   カナン・ディ=ラーグの名により命ず
   形無く色無く声無き七よ 疾く参れ


[詠唱に応じて宝玉が生き物の目のように輝き、それぞれ細く白い霧を吐き出した。
やがてそれは、ふ…、ふ…、と一筋ずつ崖の上へ流れ凝っていく。
その数、七つ。]

(103) 2017/02/07(Tue) 21:33:37

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