[息を止めて、彼の顔を見つめていると。しゅるんとナイフが彼の手元に戻り、鞘に収まった。まるで、何事もなかったのように](――そんなに阿呆言わなくても)(わかって――……) ―――……わかって、なかった、かも。[……言いかけた言葉の語尾を。 事実に沿ったものに変える。 帰るぞ、との彼の言葉に。無言で頷くと。 ――――学校跡地に向かい、歩き始めた*]