[のびのびと足を伸ばし、バスケットの中の食事を食みながらの談笑。
まるで以前からの友人のように、彼らと打ち解けるのは早かった。
ノトカーと最終試験を一緒したジェフロイとの話題で、彼の名を聞くことが多くなってもいたことも手伝ったのだろう。]
うさ……?
なんだそりゃ。誰が言ってたんだよ。
[逆に、余計なことを吹き込まれることも増えたが。]
……まだあの人、俺の入寮申込書のこと気にしてんのか。
確かにウサギは食いモンだし、食事に出されりゃ喜ぶが。
別にラヴィを取って食おうってんじゃねえのに。
[憮然とした表情を向けたなら、明るい笑い声が返る。
シュヴァルベの地を渡る自由な風そのもののような、
物怖じも遠慮もない、透明な笑い声。
それは、ノトカーを好ましく思う理由の一つだった。]