[ そうして、男が次に動いたのは、夜明け前。 ]
始源の熱 紅蓮の光
逆巻き 渦巻き 踊り狂い
灼熱の嵐となれ!
[ 詠唱と共に、穴の底を照らすために掲げられた火が、大きく燃え上がり、炎の翼持つ鳥のように舞い上がって落とし穴の底の枯れ木へと飛び込んでいく。
枯れ木に燃え移った炎は、渦を巻いて燃え上がり、瞬時に炎の壁をそこに出現させた。 ]
さて、これは無茶のうちかな?
[ 詠唱を終えると同時に、男は岩陰から飛び出し、南へと飛翔する。その姿を捉えた者には、南方の森に逃げ込むようにも、見えただろうか? * ]