― 回想:8年前―
[>>0:51 クマはあのとき、ディーンに一生付いていくと決意した。
己が力、今まで奪うがために使ってきた力を。
今度は護るために使うと。誓った。
―――然し、]
なんでぇ、オッサン。
ンなに見るんじゃねぇよ。
[自分が従うべき盟主はただ一人。
然し、その盟主には既に、忠臣といえるべき副官が居たのである。
それを知った時、どこか嫉妬に近いような歯痒さを覚えた。
自分よりも長く傍に仕え、自分よりも盟主のことを知っている老将。
智慮深い名君に、短慮なクマが敵う筈もない。
然し、盟主を想う気持ちは、目の前の老将に負けていないと。
マーティンは目を細めて、老将を見下ろした。
>>0:217 面白くないのは、向こうも同じだっただろう。
チャールズと呼ばれたその男は、値踏みをする視線をあからさまに送ってきた。]