[この村で酒を飲むといえば神父が礼拝堂に隠している葡萄酒かレジーナの宿屋か、ヤコブかその親が作る林檎酒か……位で、あろうか村に居付かぬを嗜めながら自分も1杯飲むのは、カルヴァドス此方はぐいっと喉に流し込めば、かっと酒精が焼いてゆく忠告が受け入れられぬのを知っていてあえていう様子を、こうして受け入れる様はよく言えば大人で、悪く言えば腹をくくっている――変える気はないから、ということであろうか>>89]