―― 王宮・第二王子私室 ――
ええ、独占販売権を持つギルドの影響力を排し、
自由取引市場を生み出すことで長期的に税収と人口を増やす。
さらには領主権をより強固にする狙いもあったのかと――……。
[先日、調査ついでに視察してきた我が国の海上交易の現状。
僕が大学自体、他国へ留学していた時に得た見識。
監査官としての法制度に関する知識。
>>38それらを併せて、事実と状況、考察と見解を偏りなく語るその相手は、この平和な暁の国の第二王子――ウェルシュ殿下。
紙の香りが漂う彼の私室では、静かな時間が流れていた。]