[ルートヴィヒ・アルトハーフェン。シュヴァール商会を営む商家の長男であり、当代の皇帝の唯一無二の補佐。ファミルにとっては、商会とのかかわりを通じて、幼少時から見知った顔でもあった。] 皇帝陛下の翼にこうして、 先んじてお会いできて光栄だ。[呼びかけに応じる声は、一般からすればささやかにであれど和らいだ音をもつ。] ようこそ。ルートヴィヒ・アルトハーフェン扶翼官殿 扶翼殿とお呼びした方がいいだろうか。[音に聞く当代限りの官職で呼ばい、首を傾げた。]