泣くな……よ……。
カサンドラは強いから、俺が居なくても何とかなる……
だろう……?
[この手が肉体に触れることが出来ないのは経験済み。
それでも彼女の濡れた頬に、次から次へと流れ落ちる時を待つだけの大量の雫を拭おうと。
当然拭われることなんて無く、この瞬間にも無慈悲に流れ落ちる。
( どうしてこんな時に声が聞こえないんだ。
涙を拭ってやることが出来ないんだ。
カサンドラは泣く為に生き延びた訳では無いのに……! )
[カサンドラの声が聞こえた>>82かと思えば、コクーンを力強く叩き始めたのだ。
遠慮のない音。当然殴っても何の変化も無い。
変化があるとすれば、彼女の手がコクーンを殴った故に少し赤みを持ち始めた程度か?]