―― 戦場・上空 ――
[空を飛びながら腕の中のアリーセが苦し気に見えて気が急いていた。
飛び立つ前の彼女の声は言葉はしっかりとはしていたが、常に比べれば弱く。
溢れる紅と一緒にその生命が流れ落ちていくようで不安が胸を締め付ける。
空を掛けながら仲間へと通信をして、そして綺麗な青を見上げて。
そのすぐ後だろうか、腕の中の少女が冷たく感じられ。
まるで―――――。]
……あ…りーせ……あ、いや…迷惑とかそんな…けど、おどろいた。
[全ての生命が消失してしまったかのような錯覚に驚いて少女を見つめ。
そして紅く染まる視界の向こうに蒼を見た。]