…あのね、カーク。[抱きかかえられたまま、猫のように身を擦り寄せ]わたし…カークの声でシィ、って呼ばれるの、好き。甘いもの食べてる時のしあわせそうな顔も好き。声を掛けても気付かないくらい真剣な顔してる時も、好き。…他にも、色々好きだけど。[そろりと、テーブルに置かれたはちみつミルクのマグを手にして。一口啜りながら]カークが翻訳していた恋愛小説。あれを読んでから、ああ、わたしも恋がしたいなあ…って思えたの。他の人が翻訳した本で、そんな気持ちになったことは一度もないのよ。