[急速に血が失われていく感覚。
身体が末端から痺れ、視界は段々と暗く染まってゆく。]
(僕は、何のために生まれたのだろう。
僕は、何のために生きてきたのだろう。)
[薄れ行く意識の中で自問自答を繰り返す。
滅びに向かいつつある国の中にあって、
少しでも自分の生きた証を残せただろうか。
失われつつある僕の目が最期に捉えていたのは、
慌てて家から飛び出してくる最愛の人の姿。
騒ぎを聞きつけて出てきたのか、部下が呼んできてくれたのか。
けれど、もう身体が何も言うことを聞かなくて、
手を伸ばしてあげることすら出来ないけれど。]