いらっしゃい、と言いたいところですが、生憎お薬はありません。 おつかいでやって来るには、ここは随分と危険な場所ですよ。[にっこりと、昔を思い出させる笑みを浮かべる。しかし右の耳は欠け、あちこちに小さな切り傷、更には背中を袈裟がけに斬られた深い傷跡もある。笑顔を浮かべるには、異質過ぎる状況だった。]