──── 回想 Florence前 ────
[ 目の前の女性の表情が一瞬だけ
するりと抜け落ちた事に私は気づけない。>>1:361
後から来た女性に対する態度>>1:363からも
彼女が抱えるものに気づく事は出来なくて。
茶色い髪の女性の返しもいたって普通で。>>1:393
まさか誰かの姿と重ね合わせているなんて思わない。>>1:394
金色の女性が立ち上がる前に目を閉じたのは瞬きで。
この2人の関係はお友達。
感情とコミュニケーションに乏しい私にはそう見えた。
カサンドラ様のお誘いを断った彼女に頭を下げて
"ハナ、ありがとうございました"と改めてお礼を。
一方的に知ってしまったアリーセ様の名前。
きちんと挨拶ができなかった後悔を胸にしまい
またお会いできますようにと願う。
その時ちゃんとご挨拶をさせていただこう。
招かれた店の中でカサンドラ様の視線を辿る。
それはアリーセ様の背中へと続いていた。>>1:395 ]*