― キサン湖畔 ―
[祭壇へ向かって矢をつがえても、魔物が激しく攻撃を繰り出してくるせいで、なかなか狙いを定められない。リアンと従者、騎士たちで一匹につき二人がかりで戦っているというのに、防御するだけで精一杯なのだ。]
こうなったら、オレも助太刀して、先にこいつらを倒した方がいいか?
[そう呟いた直後、懐に入れていたクレステッドから貰ったポプリの小袋を思い出した。枕元へ置いて眠りについたら、幻術師を退け平和を取り戻した聖地で皆が笑っている夢が見られた、霊験あらたかな品だ。]
この夢は、絶対に実現させる!
[強い決意を込めて、ポプリを魔物たちへ投げつける。初めて嗅ぐ匂いに動揺している間に、矢を続けて三本打ち込んだ。]