ツェルと言ったか。
……お前さん、良い将を持ったなぁ。
[>>39 両の掌を受け皿のようにして、己が戦斧を防ぐ若き戦士に声を掛けた。
咄嗟の判断とは言え、手を盾代わりにするとは、良い度胸と判断だ。
経験の無い兵ならば、首を竦め、身を縮めるだけに終わるのだが。
それにしても一介の兵士の為に、命の危険を冒してまで助けに来ることが出来る将は、なかなか居ない。
多くの将は、兵士たちを駒か道具かにしか思っていないのだから。
そうでないとしても、なかなかその勇気を持ち合わせるだけの猛者は居ない。
それだけこの兵士と剣士には、強い絆があるということなのだろう。]