[邪魔なドールの身体は適当に投げ捨てて、>>99崩れかけたクレステッドに手を伸ばしたが不要だった様だ、手を引き廊下を駆け抜けた。
…――さて、何処に逃げようか。クレステッドに視線で尋ねる序でに振返り確めた>>101レトが追い掛けて来る気配がない事を逆に警戒しつつも、ほんの少しだけ、クレステッドに合わせて駆ける足並みを緩めた]
[昔、兄を迎えに行ったのは、自分の寂しさを埋める為だけだった。
誰かを救おうと、或いは庇おうとした経験なんてこれまで一度も無かったから、如何していいか勝手がさっぱり判らない。
あぁ、そうか、幼い日のチャールズはこうすれば良かったんだ。少年にも満たないようなあの頃の小さな子供の身体では、こんな風に共に手を取り逃げ出す事は叶わなかっただろう。それでも、最初に連れ去られたあの瞬間に、抗えば良かったんだ。幼い日に出なかった答えが、今、やっとすとんと胸に落ちた]