― 風龍峡入り口 ―
[護りの術を巡らせた後は、その場を動かずにいた。
何気に、実戦の場で鏡の精霊と仔竜の力を重ねた事はこれまでになく。
加減や出力の調整に集中していた、というのが実情]
……まあ、ぼくが手出しするまでもない、という感じではありましたけど。
[攻撃をすり抜ける影の狼たちを相手に立ち回る調査隊の面々を見ていると、そんな気もしていた]
『だからって、働かないわけにはいかないんじゃないのー?』
それはわかってるって……。
[鏡の精霊の突っ込みに、苦笑しつつ返そうとしたその時。
先ほど響いたのと同じ咆哮が再び響き渡った]