― かつて教え子だった彼の思い出 ―
武術を?
確かに、教えられないこともないが......お前にそれが必要か?
[ 彼が、魔法実技を魔法ではない方法で、こなしているのは察していた。男はどんな方法であれ、課題をこなす気があり、それを実現できるのであれば、魔法の技術点は低くとも合格としていたが、どうやら合格するかどうかすら、彼の中では大した問題ではなさそうなことも、感じている。 ]
本気でやる気だと言うなら、日課の授業後に教えるが、代わりに授業の方もきちんと受けろよ。
でないと、俺が他の先生達に睨まれる。
[ 軽口めいた言葉と、浮かべた笑みは、彼にはその時初めて見せた顔だったろう。 ]