このような細工をするとは、相手の程度が知れる。 どうやら、魔軍というのは直接我々と正面向かって戦うのは怖いということらしい[そこで騎士団の古株の巨漢の男が、違いませんな、と豪快に笑い飛ばしてようやっと、場の空気が弛緩した――] あちらも苦労しているだろうな。[結局その苦労は、カレンに到着してからも続くことになるのであった。 吟遊詩人で大声と喉を鍛えていてよかったというか、人生何がどんなときに役に立つのか全く解らないものである]