[ふと顔を上げれば、壁際のタンスの上に一枚の写真が目に入る。写っているのはまだこの村から出る前の自分と、腐れ縁とも呼べる悪友たちの顔。彼らは写真の中で、今よりも若い顔で笑っていた。] ……クソッタレ。[悪態とともに、腹の虫が鳴る。ここ数日まともな食事をしていない男の腹は空腹を訴えていた。この家には酒以外の食料はない。確かこの時間であればジムゾンが広間で炊き出しをやっている。タダ飯にありつこうと、男は重い腰を上げた]