[まだヴェルナーが存命中なので未来の部分は空白だが、それも時間の経過で職員達が更新して内容が書き足されているのだろう。
コンスタンツェに勧められ、ページをめくる。
――やっぱりヴェルクレと思うけど、クレヴェルも良いと思うの。
よく分からない単語を並べられ首を傾げるが、楽しそうなコンスタンツェを見ていると自然と笑みがこぼれてくる。
……ちなみにこの後、本を読み進めると忠臣と姫君の淡い恋物語が展開され「BLだと思ってたのに、騙された!」と憤慨しつつも結局は恋の行く末が気になって読み進めていくコンスタンツェの姿があるが、それは別の話だ。
しばらく勧められた本を読んでいたが、ある単語を目にしてユーリエの目が吸い寄せられる]
……ダーフィト?
[ヴェルナーの友人として時折出てくるその名前。
何故かは分からないが胸が切なく、苦しくなった]